なかしまホーム

なかしまホーム ( 障がい者向けシェアハウス )

平成17年、福岡市社会福祉協議会に「福祉に役立てて欲しい」との遺言により寄附された建物。遺贈
者のお名前から、「なかしまホーム」と名付けられた。これまで、地域の方や各方面の福祉団体と『空
家活用検討会議』を開き、シングルマザーシェアハウスや公民館、共生型居場所づくり、子ども食堂、
フードバンク、地域サロン / カフェなど利活用の希望者を福祉転用の可能性を協議してきたが、条件が
合わず実現しなかったが、平成 29 年になって、福岡市や新宮町で障がい者向けの就労継続支援(A 型)
事業所や生活介護事業所を展開する社会福祉法人あきの会さんが利用者の通勤寮としての活用したいと
いう話が持ち上がった。
なかしまホームは、一般的な「居宅」であった上に、本来取得されるべき建築確認検査済証もなかった
ことから、シェアハウスとして活用するためには、建築基準法上の用途変更や福祉サービス事業所が守
るべき消防法の基準のクリアなど、改築に向けてのハードルは高かった。古家空家調査連絡会は福岡市
社会福祉協議会と協力し、転用時に守るべき法令に則った形での改築方法、双方のリノベーションに対
する考え方やその予算と負担、賃貸契約なども同時並行で考慮し、空家の福祉転用を進めた。福岡市の
監察指導課からの厳しい指導などもあったが、平成 30 年 10 月、無事に障がい者向けシェアハウス「な
かしまホーム」が完成した。
令和 3 年現在、残された家に託された遺志を継いで、4 名の軽度障がいを持つ方々がここで暮らしてお
り、支え合いながらも、それぞれの暮らしを楽しんでいる。近年、障がい者の中には、両親の高齢化な
どでケアが十分に受けることができず、実家に居住できなくなるケースも発生しており、障がいを持つ
方々の終の住処の確保が問題となっている。今後、古家空家の温かみを活かした、このような住居が増
えていくことを希望する。